MORE構造

永続的なアフターメンテナンスのために。

100年後も語り続けることのできる時計作りを目指す。私たちの目標はつまり、100年後も使える時計を作ることにほかなりません。この私たちの哲学を込めたのが、マスタークラフトシリーズの採用する「MORE構造(※)」です。これは、日本の伝統工芸である組木細工にヒントを得たもので、組木細工同様、すべての外装部品を分解できる構造となっています。それぞれの部品のみを交換できるので、末永く使うことができるほか、メンテナンスの負担も減らすことができるというものです。
例えばブレスレット。一般的な物は、コマを組み上げた後、左右からプレスで押して完成させます。ブレスレットは丈夫になりますが、ダメージを受けた場合でも、分解ができなくなります。対してマスタークラフトシリーズのブレスレットは、完全に分解が可能であり、傷んだ部分だけ修正をしたり、部品交換をしたりとアフターメンテナンス性に優れています。このMORE構造は、HiZシリーズの新作DIVIDO(ディヴァイド)のブレスレットにも採用されています。
一般的に考えると分解できるブレスレットは、使っているうちに遊びが大きくなる可能性があります。そのため、他社は分解できるブレスレットを採用したがりません。よほどの高級な時計でも、今や分解できるブレスレットはほとんどない、と考えていいでしょう。対して精密な加工と組み立てを得意としてきた私たちは、分解できるだけでなく、微妙な遊びと高い耐久性を備えたブレスレットに挑戦し、実現しました。精密な加工と優れた職人の技術があればこそ、の試みなのです。
※Minase Original Rebuilding Equation の頭文字を並べた造語。「独自の再生方式」を意味します。現在ミナセは、MORE構造で腕時計として1件(特許第4671327号)、時計バンドとして1件(特許第4674698号)の特許を取得しています。
ミナセはブレスレットのコマを職人がひとつひとつ手作業で削り出しています。ブレスレットのコマは、今やコンピュータで削り出すのが当たり前であるにも関わらず、あえて手作業で切削する理由は、コマの左右の遊びを2/100mmに留めるためです。コンピュータで切削すると、微妙な間隔の調整が難しいため、どうしてもブレスレットが「硬く」なってしまうのです。この厳密な精度管理によって、堅牢なマスタークラフトシリーズのブレスレットに、精緻なタッチを添えています。
コマを組み上げた後、 ネジでひとつひとつ留めていきます。一般的なネジ留めの場合、コマの左右にネジを通します。これはたしかに生産性は上がりますが、長年使用すると突然抜ける場合があります。そこでマスターシリーズのブレスレットは、コマの裏側から、ミナセオリジナルのネジで固定するという手法を選びました。コマの左右にネジが見えない事で、外観的にすっきりとしたデザインになっており、左右からではなくコマの裏側から支えることで、ネジが緩んでもブレスレットがバラバラになる心配はありません。またネジの固定に際しても、ひとつひとつのネジにネジ留め剤を塗って固定していきます。量産メーカーではまねのできない、時間を要する工程です。
ブレスレットの穴の遊びは5/100mm。比較的大きな遊びを持たせたのは、パイプとブレスレットのすれによる金属粉を出さないためです。しかしそのままだとブレスレットの遊びが過大になるので、左右のコマの間隔をできるだけ詰めて、耐久性を持たせています。
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